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法律相談Q&A債務整理:任意整理
任意整理とはどのような手続きですか。
任意整理とは、借金の返済が可能な場合、債権者(業者)と話し合い、債務者(依頼者)が返済可能な金額や支払い方法を合意して、その後、合意に基づいた返済を続けていくというものです。
具体的には、以下の流れで手続きが進んでいきます。
- 弁護士に依頼すると、弁護士は、各業者に受任通知を送り、取引開始以後の全ての取引経過(借り入れと返済の記録)を開示させます。
- 取引経過の開示を受けた弁護士は、取引開始時にさかのぼって、引き直し計算をします。引き直し計算とは、業者の多くが、平成21年頃まで、利息制限法で定められた制限利率(元本の額が10万円未満の場合 年20%、元本の額が10万円以上100万円未満の場合 年18%、元本の額が100万円以上の場合 年15%)を超える年29.2%前後の高い金利で貸し付けを行っていたことについて、利息制限法の制限利率を超えて支払った利息は民事上無効であり、もともと支払う必要がなかったとして、制限利率を超える部分について、元本を返済したことにする取扱いのことです。この引き直し計算をすることによって、利息制限法の制限利率を超える高い金利で貸し付ける業者と取引をしていた債務者の場合、返済する必要のある債務額が減額されることになります。
- 引き直し計算によって法律上支払わなければならない元本額が確定します。弁護士は、この元本額を基準にして、債権者と話し合い、支払うべき債務額や支払い方法を定めます。通常、弁護士は、過去の利息や将来の利息、遅延損害金をカットし、元本額のみを3年程度(場合によっては5年程度)の分割払いで支払うことを業者に求め、和解を取り付けるように交渉します。
- そして、業者と債務者で、支払い方法を合意した後は、債務者自身で、家計の管理をしながら返済原資を捻出し、返済をしていくことになります。
もっとも、近年は、分割払いの場合、利息や遅延損害金のカットに応じない業者も多く、場合によっては、利息や遅延損害金の一部または全部を返済せざるを得ないこともあります。