日鉄鉱業に「新型」じん肺訴訟を提起
弁護士:山本一行
国やじん肺加害企業の多くは、どこもじん肺加害責任を認め、謝罪をして和解でじん肺被害を解決しています。そのなかで日鉄鉱業だけは、全ての訴訟を最高裁まで無駄に争い続け、じん肺を引き起こしたことを反省していません。すでに最高裁での13件の判決・決定を含め、40件の日鉄鉱業の責任を認める判決が出ていますが、それでも態度を改めません。
すでに最高裁まで争い、日鉄鉱業に勝訴しながら、その後に亡くなられた患者について、先日、その遺族が再度、死亡による損害の賠償を求めて提訴をしました。このような形の、再度の提訴は、じん肺闘争史上はじめてのことです。6月2日に第1回の裁判が行われました。
日鉄鉱業が、きちんと謝罪をして全面解決をしていれば、起こす必要のなかった裁判です。一人の患者の遺族だけの裁判ですが、裁判で責任が認められても責任がないとうそぶき、謝罪や反省をしようとしない企業を許すわけにはいきません。私たち弁護団も、大きな怒りをもって裁判にあたっています。
(日鉄鉱業をめぐる闘いの詳細はブックレット「なくせじん肺」にまとめられています。事務所で販売しています。500円です。)