深堀寿美 弁護士記事

2023年3月22日(水)

「どうする家康」と「男女共同参画推進」

 故あって、2023年は1月から日曜日午後8時のNHK大河ドラマ「どうする家康」を視聴しています。
 ところで、男女共同参画社会の実現の一つの目標として「指導的地位に占める女性割合を高める」というものがあります。この問題が議論されるとき、よく「指導的地位に相応しい女性が見当たらない」ということが言われます。これに対しては、「そもそも女性がその地位に就けるように仕事をさせてこなかったからだ」ということが指摘されますが、もう一つ、「その地位に『ふさわしい』ってどういうこと?」ということも議論されています。「指導的地位」というと「リーダーシップ」を発揮して、ぐいぐい人を引っ張っていく..というような、これも極めて「男性」性と重ね合わせて想像されることが多いかと思いますが、21世紀の世の中は、予測不可能だった事態をいかに打開していくのかが重要で、従来型のリーダーシップだけでは乗り切れない、というのがほぼ大方の見方ではないでしょうか。故に、指導的地位に「ふさわしい」と言われる指標も変化せざるをえず、「ダイバーシティ(多様化)」が大事だと言われています。
 なお、ダイバーシティの第一歩は、いわゆる「男」社会の中に、世の半数いる「女性」を加えていくことです。「女性」というだけで、ものの見方に男性一辺倒であった「従来型」にはない、多様性を生じさせることができるのです。そこで、まず手始めに「指導的地位に占める『女性』割合を高める」ことが目標になっています。
「指導的」地位、に関して、徳川家康、は、戦乱の世を生き抜き、その後の「パクス トクガワーナ(徳川の平和)」を築いたいわゆるリーダー中のリーダーと言われる人物です。その家康ですが、今のところ、このドラマの中で、毎回「もう、いやじゃー!」「どうすればいいんじゃー?」「自分にできるんじゃろうか?」とおろおろし、「戦はこわい」と正直に家臣にいい、戦場からも逃げ出して本多平八郎に連れ戻されたり、一向一揆を収めきれず、「奥に引きこも」ってしまって家臣から見限られ、家老級の家臣が他家からヘッドハンティングをされそうになったりしてます。他方で、家康の妻子奪還作戦を失敗し、石川数正が「切腹ですな」という本多正信に再びチャンスを与え、再チャレンジをしているその正信を揶揄する家臣に対しては「命がけで働いておる者を笑うな!」と一喝したりして、その後、見事、正信は再チャレンジを成功させました。しかるにその後、自分を裏切ったこの正信から「間違っておるのは殿の方じゃー!反省しろー!」と罵倒されながら、「疾うに悔いておるわ..」とうなだれてその評価を肯定し、この正信を死罪にしませんでした。そして、その正信から困難だった一揆の事後処理についてのアドバイスをもらったりしています。
 こんなドラマですが、今後、おろおろしてた家康が歴史上の「偉人に成長する物語」となっていくのか、ずっと同じように「どうする?」と右往左往しながらもどうにかパクストクガワーナを実現していくのか。2023年のこのご時世にどのような家康が描かれていくのか楽しみです。ついでに、3月12日(日)の放送回では、主君である自分の命令に背こうとした家臣に対し、家康は最初勿論怒るのですが、その理由を聞き、LGBTをカミングアウトした家臣に対し、以降、性的指向をそのまま尊重して無理な仕事をさせない、という対処が描かれていました。
家康役の嵐の松本潤くんが一般に「かっこいい」と評価されていることに異論のある人は少ないと思います。これからどんな風になっていくのかはわかりませんが、2023年の「リーダー像」としてこれから描かれる「家康」が「かっこいい」んだ、というのが制作者のメッセージなんでしょうかね。
 今後も、テレビの前で正座してこのドラマを拝聴します(潤くん、がんばれー!!)。

法律相談Q&A

法律相談Q&A

法律相談
予約はこちらに

お気軽にお問合せください

092-721-1211

※お掛け間違いのないようにお願いします。

平日9:30~17:00
土曜9:30~12:00


平日、土曜日午前中
毎日実施中

初回法律相談予約専用Web仮予約はこちら

カテゴリー

弁護士紹介深堀 寿美

深堀寿美 弁護士

弁護士登録:1993年

相談者・依頼者が困っておられる内容の原因究明に務め、解決に必要な法的手続その他行政手続のご提案等ができるよう務めます。何でもご相談下さい。