民事法律扶助(法テラス)におけるひとり親世帯の支援が拡充しました!
子育ては、親が二人揃っていても大変なので、親が一人になるとより一層大変になることは想像に難くありません。様々な事情から子どもと離れて暮らすことになった親も、子どもの生活費を負担しなければならないことが民法877条で定められています。これが養育費です。子どもを一人で育てることになった親は、離れて暮らす親に、養育費の支払いを求めることができますが、当事者間で話し合いができない場合、弁護士を利用してその話し合いを進めることも可能です。その際、弁護士に法的手続き援助をうけるための費用を民事法律扶助法に従って日本司法支援センター(通称:法テラス)が立て替えをしてくれるという制度があるのですが、この度、このようなひとり親がこの制度を使いやすくすることを目指しての制度改革が行われ、この4月1日から実施されることになりました。
公平を期してか、様々な条件を組み合わせての制度改善であるため、はっきりいって、「ひとことで」簡単に説明することは困難ですし、当分の間、制度の説明書を見ながら利用していくことになると思いますが、養育費の請求等を弁護士に依頼したい、とお考えのひとり親の皆さんは、このような制度改革がありましたので、是非、一度弁護士に相談されてください。
ところで、4月1日から「虎に翼」というNHKの朝ドラがスタートしました。これは日本初の女性弁護士、三淵嘉子さんをモデルにしたお話しです。1940(昭和15)年に、初めての女性弁護士が3人誕生するまで、法律で女性は弁護士になることができませんでした。21世紀の世の中からすると「はて~?」という法律がまかり通っていた時代なんですね。女性弁護士が3000人を超えた2007年、日弁連の両性の平等に関する委員会は「女性弁護士の歩み~3人から3000人へ~」という書籍を公刊し、3人から始まった女性弁護士たちがいかに活躍してきたかの歴史を記録しています。こちらも是非ご一読いただきたい。3人の女性弁護士誕生から83年を経た2023年の統計値でも、女性弁護士は数こそ8901人まで増えましたが、割合で言うと全体の19.8%、2割に満たない状況で、どんな組織でもせめて女性は3割を上回るべきという目標(202030など)に未だ遠く及びません。ただ、2024年度、日弁連に初の女性会長も誕生しています。歩みはちょっとずつですが、確実に前進していると思います。
最初の3人って大変だったろうな、と思います。ドラマを見ては、松山ケンイチさん扮する敵役のような裁判官に対して、つい「黙れ!本多正信!」といったり、「とらちゃん、頑張れ!」と声援をおくったりしています。福岡県民としては、橋本環奈さんが出る秋からの朝ドラも待ち遠しいのですが、とらちゃんの活躍にも是非、注目したいと思います。