2024年の日本のジェンダーギャップ指数順位は118位で小幅で上昇
世界経済フォーラム(WEF)は先週の6月12日、男女格差の現状を各国のデータをもとに評価した「Global Gender Gap Report」(グローバル・ジェンダーギャップ・レポート、世界男女格差報告書)の2024年版を発表しました。日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位で、過去最低の順位だった前年(125位)から小幅に持ち直した、と評価されています。
昨年も、G7(主要7か国)で、同じような順位をうろうろしている国はなく(イタリアが87位で昨年より順位を下げています)、少子化を張り合っている隣国の韓国も94位と小幅に上昇、中国も106位とほぼ変わらずで、彼の国にも負けている点、昨年と変わりません。分野別にみると、政治が113位で、岸田内閣の女性閣僚登用で若干上昇しましたが、男女格差が埋まっていないことは変わりません。6月5日に厚生労働省が発表した合計特殊出生率は、1.20と8年連続で低下を続けて過去最高になっています。子宝を授かったのに、子どもがいる労働者は、労働市場では「2軍」の労働者扱いを受けるし、最悪、労働市場から退場しろ(解雇)、とも言われかねないのですから、おちおちそういう立場になれません、と女性が考えるのも無理からぬ事です。
しかし、改善の兆しも見えています。先月、久しぶりに弁護士が時折使用する某機関に行ってみると、「5時以降の利用はご遠慮いただきたく」という張り紙がしてあって、これはきっとこの場所で働く公務員のみなさんの「働き方改革」なんでしょうし、最近のニュースで、「24時間、戦えますか?」のコピーで有名だった、栄養ドリンクが一銘柄を残して販売を終了する予定、と報道されました。この「24時間」、オンコール(職場からの呼び出しにすぐに応える)で働ける労働者こそが「1軍」の労働者で、そうでない「2軍」の人は、仕事の評価額(=給料)も安いし、昇進もしないし、そもそも正規労働者としての特典も得られない(パート労働者)と言われてきました。「24時間、働けますか?」といわれて、「働けるはずないでしょう!」と反論する労働者も増え、働き方の多様化で、少しは変化してきたのだと思います。
ただ、このペースだと、日本で男女平等を実現するのにあと100年はかかる、と評価する意見もあり、もっとペースを上げて貰わないと困りますけどね。