九州建設アスベスト訴訟第2陣が結審します
九州建設アスベスト訴訟は、第2陣と第3陣が福岡地裁にかかっています。2陣訴訟は10月5日2時からの期日で結審します。年度内には判決がでる見込みです。
第1陣は提訴以来11年の闘いを経て、昨年、国と和解、企業の責任を認める最高裁決定という成果を勝ち取りました。最初は、他の地域の同種訴訟でどこにも勝てていない完全敗訴の判決が出されました。それにもかかわらず、原告や原告を支えてきた福建労(労働組合)は、あきらめることなく、それどころかそれまでにもまして闘いをすすめてきました。その結果、全国の訴訟での成果とともに、一歩一歩前進を勝ち取ることができたのです。
第2陣、第3陣はこの1陣の成果に基づいて裁判を進めています。すでに国からは和解金や基金からの給付金を受け取っています。しかし、決してそれに安住していません。アスベスト建材を製造・販売した企業の責任をより広く、より明らかにして、企業に基金に参加させることを目標にしています。決して簡単ではない目標に向かって旺盛に被害を訴え続けています。全国の同じ後続の訴訟も同じです。
思えばじん肺の訴訟も同じでした。最初の集団訴訟のひとつである長崎北松じん肺訴訟で、時効の問題や損害額が低すぎるという問題に苦しんでいるときに、全国の他の訴訟でこれを突破して行きました。その力を得て、18年の戦いを経て最高裁と差戻審で時効や損害の判断を前進させたのです。また、長崎北松の1審判決の成果を受けて、筑豊じん肺訴訟では国の責任の追及を行いました。それまでの成果に満足せず、新たに被害救済の前進を勝ち取ろうとしたのです。これも16年の闘いを経て最高裁で勝訴を確定させました。その結果、国とは裁判上での和解を行うという解決方法ができました。企業とは提訴せずに和解を行うというルートを作りました。この和解ルートに乗ろうとしない日鉄鉱業には、倦むことなく訴訟を続け43連勝しました。被害救済を進めただけでなく新たな被害防止の制度も拡充させました。
一応の成果に満足せず、常にあらたな前進を積み上げようとする闘いに参加する原告や支援は、本当に頼もしいものです。