山本一行 弁護士記事

2024年10月21日(月)

「おめでとう」だけではすまない、被団協のノーベル平和賞受賞

 被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。たいへん喜ばしいことです。被爆者の悲惨な核兵器による被害は二度と起こしてはならない、核兵器は廃絶されるべきであるという訴えと、そのための証言運動、署名運動などいわゆる草の根の運動が評価されたのです。
 広島、長崎の原爆から来年は80年になります。その年に生まれた子も80歳になるのです。私の所属する福岡県原水協は毎年、福岡県の被団協と交流会を行っています。そこでは命あるうちに核廃絶を実現したいときう強い思いと、それができるだろうかという不安が語られます。被爆2世に運動を引き継ぐことのむつかしさも語られます。実は各地では被団協は老齢化、担い手不足から解散するところが現れており、被爆者の団体がない都道府県も生まれてしまっているのです。
 世界では核兵器をもっているロシアやイスラエルが戦争を行っています。核兵器の開発をしていると疑われているイランも戦争に加わりそうな様子もあります。どちらの戦争もエスカレートするばかりです。仮に最初は自衛という性格があっても、戦争は拡大するという本性があるようです。そうした戦争の拡大の中、ロシアは核兵器の使用も口にしています。
 ノーベル賞の受賞や、核兵器禁止条約の発効(50か国以上の批准で2021年に発効、現在は批准国73、署名国94)にも見られるように、国際世論は核兵器が禁止されるべきことが常識化しているのに、現実はなかなかそうなりません。
 被爆者のあせりやはがゆさがよくわかる情勢です。「受賞よかったね」、「おめでとう」だけではすまないのだと思います。

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山本一行 弁護士

弁護士登録:1983年

石炭のじん肺訴訟にうちこんできました。その経験を生かして様々な事件に頑張りたいと思います。