ブログ的豆知識「おれの給料,安すぎる?」
弁護士の星野です。ブログ的豆知識です。
■おれの給料,安すぎる?
「はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」(石川啄木『一握の砂』)
いま,ぢっと手を見ましたか?私も見ました。
労働時間は長いのに,給料がそれに見合っていないくらい少ない。その結果,残業代を得るためや,将来の給料を上げるために,やむを得ず超長時間労働に従事するようになる。そして体調を崩してしまう。労働者あるあるです。どうぞご注意を。
労働時間が長いのに給料が見合わない。いろんな場合がありえますが,いくつかの例を紹介します。
① 残業代が支払われていない。
⇒残業代請求を考えましょう。資料集めがポイントです。弁護士に相談すると良いヒントが得られます。当事務所は,初回30分まで相談料は無料ですし,低収入・低資産の方には国が相談料を援助する扶助制度(法テラス)も利用可能です。
② 定額の残業代だけで長時間働かされている。
⇒定額の残業代では本来足りていない部分は追加で残業代請求が可能です。弁護士に相談するのがベターです。
③ 最低賃金を下回っている。
⇒最低賃金法違反の場合,最低賃金に見合う不足分を請求できます。
④ 歩合給が多くて給与総額が少ない。
⇒タクシー運転手やトラック運転手などに多い歩合給の問題です。歩合給に関しては,通常の労働時間に対する賃金部分と時間外及び深夜の割増賃金部分とが明確に区分できない場合には,割増賃金を請求できる場合があります。これは賃金について複雑な制度になっている場合が多いので,できれば会社が作成しているはずの就業規則や賃金規程というものを入手しましょう。
⑤ 残業代も完全に支払われているがそもそも給与が少ない
⇒時給単価で最低賃金は超えているかをまずチェック。給与の引き上げは,経営者との交渉で勝ち取りましょう。ひとりでの交渉は難しいでしょうから,労働組合法は,労働組合に強力な武器を与えています。ひとりでも労働組合の結成は可能ですので,労働組合の活用を検討しましょう。