弁護団活動について
皆さんは、「弁護団」という存在をご存じでしょうか。ニュースや新聞記事でご覧になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
弁護士は、通常、単独や少人数で依頼を受けていますが、相手方が国や大企業といった巨大な組織の場合、裁判の長期化が予想される場合等、単独や少人数では到底担当することはできない大事件では、「弁護団」を結成して、事件の依頼を受けることがあります。
弁護士がこの様な大事件を大変だから依頼を受けれないといってしまうと、被害を訴えることが出来ない人達が出てきてしまいます。そこで、「弁護団」を結成して、訴訟活動の負担を多人数の弁護士で分担し、大事件の依頼を受けるのです。
「弁護団」は、弁護士の人数が増える分、弁護士一人当たりの報酬の割り当ては、少なくなります。一方で、大事件ゆえに、裁判所に提出する書面の作成や証拠の分析などに膨大な時間がかかったりします。正直にいいますと、通常の事件に比べて、「割に合わない」事件であることが多かったりもします。
それにもかかわらず、「この事件は見過ごせない」という強い思いを持つ弁護士が集まり、その思いを原動力に活動するのが「弁護団」です。
私が加わっている「弁護団」の1つに、福岡優生保護法被害弁護団があります。この「弁護団」では、国を相手方として、旧優生保護法による優生手術(障害者等というだけで強制的または半強制的に行われた生殖を不能にさせるための手術)の被害者の代理人となって訴訟を行っています。
この「弁護団」は、国が、人権侵害が明白である旧優生保護法を制定し優生手術を行っていながら、その被害を賠償していないことは見過ごすことはできないとの思いを持つ弁護士が集まっています。
当事務所に所属する弁護士は、それぞれが様々な「弁護団」に加わって活動をしています。これらの「弁護団」の活動は、皆さんに応援していただき、活動の輪を広げることが必要です。そのため、ニュースや新聞で「弁護団」という文字を見かけた場合には、是非その内容をご覧になっていただきたいと思います。そして、共感できるような内容であった場合には、活動を応援していただければ、私たちもますます「弁護団」としての活動を頑張ることができます。よろしくお願いします。