河西龍介 弁護士記事

2025年3月4日(火)

自宅が競売に!―競売開始決定通知が届いた場合の対応

1.はじめに

 自宅の競売開始が決定したとの通知が届いた場合、「どうせ自宅を売ることになるなら、何もしない方がいい」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、競売を回避することでより良い解決に至る場合もたくさんあります。そこで、今回は競売開始決定通知を受けた場合の対応等をお話したいと思います。

2.競売について

⑴ 競売とは

 競売とは、債権者が裁判所に申し立てて、不動産を強制的に売却する手続です。自宅などの不動産の競売には、①債務名義(確定判決や和解調書等といった強制執行の前提となる公的文書)に基づく強制執行としての競売手続(民事執行法43条)と、②担保権(抵当権等)の実行としての競売手続(民事執行法180条)の2種類があります。
 そして、借金等の債務があって債権者に対する金銭の支払いを怠った場合に、上記の様な自宅などの不動産の競売開始が決定したとの通知が届くことになります(競売開始決定通知(民事執行法45条2項))。

⑵ 競売のデメリット

 競売によって、自宅不動産は第三者に売られてしまうため、住居を失います。
 また、競売は売却期間や内覧が制限されることから、競売の落札価格は市場価格に比べて安いといわれています。競売の落札価格で借金の返済が終わらない場合、その後も残った借金を支払う必要があります。
 競売にはこの様なデメリットがありますので、競売開始決定通知が届いた場合には、競売を回避することの検討をお勧めします。

3.競売を回避する方法

⑴ 債権者の説得

 競売は金銭の支払いを得られない債権者が申し立てるものですので、多くの場合は、金銭の支払いを約束し債務者を説得することで申立てを取り下げてもらうことができます。仮に一括もしくはそれに近い形で金銭を支払うだけの金銭が手元にあれば、競売を回避し自宅に住み続けるということが可能です。
 しかし、多くの場合はそれだけの金銭が手元にないので、以下の次善の策をとることになります。

⑵ 任意売却

 任意売却とは、債務の返済が困難な場合に、債務者の同意を得て不動産を売却し、その売却金額を借金の返済に充てることをいいます。
 任意売却では通常の不動産市場を通じて売却できるため、競売に比べ高い価格で売却できますので、債権者が協力してくれることは多いといえます。売却代金から債権者への支払を行い、完済できた場合の残金は、当然、売主が取得することになります。
 また、任意売却の場合は、買受人が誰になるのか事前に分かりますので、買受人と相談して、不動産を賃借してそのまま住み続けることが出来る場合もあります。 
 そして、親戚等の知人にも買受を打診することができます。債権者としても、適正価格での売却及び配当であれば、買受人が知人であっても任意売却を拒否することはほとんどないといえます。

⑶ 債務整理の検討

 任意売却によっても債務の完済が見込めない場合は、自己破産や個人再生といった債務整理を行うことを検討することになります。
 自己破産が認められ免責決定が出ると、債務が消滅するため生活を再建する見通しが立ちやすくなります。ただし、不動産は手放さなければなりません。
 個人再生が認められることによって、不動産を維持したまま債務が少なくなる場合があります。ただし、個人再生が認められるには、厳しい要件を充たす必要があります。

4.最後に

 競売の手続きが開始されてから自宅が処分されるまで、6カ月から1年程かかるといわれています。しかし、競売開始通知が届いてからすぐに動き出せば、競売の手続きを回避できる可能性も高くなりますし、より適した対応を検討することができます。
 万が一、競売開始決定通知が届くようなことがあれば、出来るだけ早く相談に行かれることをお勧めします。

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弁護士紹介河西 龍介

河西龍介 弁護士

弁護士登録:2019年

大型書店や不動産鑑定評価・補償コンサルタント会社での勤務を経て、弁護士になりました。自分の経験も活かしながら、皆様の日々の生活が少しでも楽しく豊かなものになるような活動を心がけています。