國府朋江 弁護士記事

2017年3月2日(木)

貧困ビジネスで賠償命令

さいたま地裁で昨日、貧困ビジネスで生活保護費を搾取されていたとして、埼玉県戸田市の業者が運営していた宿泊施設の元入居者2人が、業者側に損害賠償を求めた訴訟の判決で計約1500万円の支払いを命じた判決が出たそうな。

2人は2005年~2010年頃に施設に入所、毎月の生活保護費は10~12万円支給されていたが、住居費などとして支払いを求められ、手元には2万円ほどしか残らなかった。

元入居者によると、エアコンのない6畳1間の部屋に2人で住み、レトルト食品やカップ麺を食べていたとのこと。

ニュースでもたびたび貧困ビジネスのことを目にしますが、最低限度の生活を営む利益を侵害したとして損害賠償まで認めたのはすごいですね

 

ここからはちょっと判決の意義とは別の話・・・

判決の後処理として、施設側に資力があって、回収できるのか。回収できたとして、元入居者の人たちが今もまだ生活保護を受けていれば、法63条の返還の問題が生じてしまいます。

今回のような場合は、資力が発生する時点は、離婚の慰謝料などと同じく、訴訟等の結果、損害賠償請求権が確定して、客観的に確実性を有するに至った時点と考えられるので、金額からすると、保護廃止になって生活保護を抜けることになると思われます。

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弁護士紹介國府 朋江

國府朋江 弁護士

弁護士登録:2012年

京都出身で、福岡には全く地縁はありませんが、福岡の魅力に惹かれてやってきました。
自分は弁護士に関わり合いになることはない・・・そう思われる方が大半だと思います。
しかし、労働、離婚、相続、交通事故、近隣問題といった様々な分野で、自分が望むと望まざるとにかかわらず、紛争の当事者となってしまうことはたくさんあります。
争いごとに巻き込まれると、それだけでとても精神的にも肉体的にも大きな負担がかかることになります。
そのため、私は、ご依頼者の気持ちに寄り添ってお話を聞くことに力を入れています。また、どのようにすれば最もご本人にとっての利益になるのか、法的側面から検討するとともに、ご本人の負担を軽減し、次のステップへと進んでいただけるようにしたいという思いから、ご提案をさせていただいています。