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活動紹介医療と人権

2019年7月23日(火)

HPVワクチン薬害九州訴訟取り戻そう!少女たちの未来を

HPVワクチン薬害九州訴訟弁護団 弁護士:中山篤志

子宮頸がんを予防できるとして国が接種を推進したHPVワクチンにより重い副反応に苦しんでいる若い女性被害者が、国と製薬企業2社を被告とした裁判を闘っています。

2019年7月17日に九州訴訟の第12回の口頭弁論で、私は弁護団の弁護士として以下の内容で意見陳述をしました。

被告企業らは、ワクチンの早期承認や公費助成のためにロビイストを通じて、また、莫大な寄付金を渡していたワクチン推進団体を通じて国会議員らにロビー活動を行いました。
最たるものは、2010年7月21日に厚生労働大臣がワクチン推進団体と面談をした直後の8月4日に大臣は方針変更をして公費助成につき予算要求をすると答弁し、8月31日には概算要求で150億円の予算を要求しました。

また、ワクチンが承認される前には,子宮頸がんに対する若い女性の認知度は非常に低いものだったのが,ワクチンの接種促進が行われた約2年半のうちに対象年齢層で最大8割程度の接種率に達しており,飛躍的に認知度が高まりました。これは、学校で配布されたのチラシの影響もありますが、被告企業らのマーケティング活動による影響も大きかったのです。

テレビCMに絞って説明します。

被告GSKは,2010年から2012年にかけ、「なんと女性の80%が子宮頸がんの原因ウィルスに感染するんですって」と、あたかも女性の多くが子宮頸がんになるかのように、子宮頸がんへの恐怖を煽った上で、予防ワクチンができたので「感染する前に至急お医者さんへ」と呼びかけるテレビCMを展開しました。
実際には感染しても持続感染をする割合、また、その後に子宮頸がんを発症する割合は非常に低いにもかかわらず、このCMは子宮頸がんの罹患を過度に強調し,不安を煽るものです。

また,子宮頸がんの予防効果があることが確認されていないにもかかわらず,子宮頸がんのリスクを強調しつつ「子宮頸がん予防ワクチン」などと呼称して子宮頸がん予防を呼びかけており,虚偽誇大な情報提供禁止にも抵触しうるものでした。

被告MSDは,2012年6月から始めた「もっと守ろうキャンペーン」でテレビCMを行いました。
これは,まず子宮頸がんが若い女性に最も多いがんであることを強調し,続いて,母と娘がHPVワクチンについて「種類があるんだよね。」「へえ」という会話と共に,最後に「“もっと守ろう”で検索を」とMSDが作成したホームページへ誘導する内容となっています。

製薬会社が一般消費者に対し,直接に医療用医薬品を広告することは禁止されているにも拘わらず、このCMはワクチンには種類があるというメッセージは,先行のHPVワクチンであるサーバリックス以外にもガーダシルというHPVワクチンが販売されていることを意味し,実質的には自社製品の宣伝広告に等しいものでした。

また,「子宮頸がん予防ワクチン」という呼称自体が,虚偽誇大な情報提供禁止にも抵触しうることはGSKのCMと同じです。
このようなマーケティング活動やロビー活動によって、被告企業らは,国によるHPVワクチンの接種促進政策の策定・遂行により,莫大な利益を得ています。2013年末までの,サーバリックスの売上額は840億円,ガーダシルの売上額は232億円と推計されます。
被告企業らはこのような莫大な利益を生むHPVワクチンの接種促進の再開を目指しています。

この裁判では被害者の権利回復と共にそのような企業の動きを阻止するために闘っています。
皆様の厚い支援を今後も宜しくお願いします。

次回九州訴訟の期日2019年10月16日(水)午後2時~

ぜひ期日の傍聴(法廷で行われる裁判手続きを見ること)にご参加ください。

場所:福岡地方裁判所 福岡市中央区六本松4丁目2番4号
 (市営地下鉄六本松駅から徒歩約3分)
※2018年に裁判所が移転しました。ご注意下さい。

弁護団の活動や訴訟については下記ホームページをご覧下さい。
HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団ホームページ
HPVワクチン薬害九州訴訟ホームページ

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