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活動紹介医療と人権:肝炎問題

2011年7月2日(土)

全国B型肝炎訴訟で菅総理の謝罪を受ける

弁護士:中山 篤志

集団予防接種のまわし打ちによりB型肝炎ウィルスに感染させられた被害者の全面救済を目指して闘ってきた全国訴訟で、6月28日、国との基本合意が交わされ、菅総理大臣が原告に謝罪をしました。

札幌訴訟での17年間にわたる闘いの末、平成18年に、最高裁は国の責任を認めました。それにもかかわらず国は被害救済に乗り出しませんでした。今回の国との基本合意は、平成20年春に全国で訴訟が起こされてからの闘いの成果です。

菅総理は。「感染の拡大を防ぐことができず、行政の努力が十分ではなかったことは断腸の思いであり、多くの被害者に心からおわび申し上げます」と謝罪しました。さらに、B型肝炎を治癒する病気にして欲しいと述べた広島原告団代表に答えて新薬研究について具体的な約束を行いました。

杜撰な予防接種行政によって、原告だけでなく、国民全体をも危険に晒していたことについても謝罪してもらいたかったという不満は残りましたが(誰しもが感染しえたということを示してこそ他人事でないということが周知されるからです)、首相による率直な謝罪によって原告を含む被害者の労苦は報われたと思います。もとより、謝罪や補償がされても、奪われた命や健康や人生は戻ってきません。

今後は、個別の和解が早期に実現することと2度とこのような問題が起きないよう真相究明と再発防止策を検証すること、B型肝炎患者が安心して医療を受けられる治療体制を進めていくこと、差別や偏見に晒されない取り組みを行うことです。

闘いは第2ステージに入りました。

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