「原発なくそう!九州玄海訴訟」第14陣提訴9396名の原告による歴史上最多数の原発訴訟
原発なくそう!九州玄海訴訟弁護団 弁護士:近藤恭典
2015年6月11日 佐賀地方裁判所に原告270名が追加提訴(第14陣)をしました。一万人原告まであと少しです。みなさんもぜひこの裁判の原告になってください。次回提訴は2015年9月10日です。福岡第一法律事務所でも原告を受け付けていますので、お電話ください。電話092-721-1211
原発なくそう!九州玄海訴訟弁護団として、福岡第一法律事務所の弁護士近藤恭典、毛利倫、八木大和が活動をしています。ご一緒に原発をなくしましょう。訴訟について、詳しくは「原発なくそう!九州玄海訴訟」のホームページをご覧ください。
第14陣提訴声明をご紹介します。
「原発なくそう!九州玄海訴訟」第14陣提訴声明
私たちは、本日、270名の原告をもって、国と九州電力を被告とし、玄海原発の全ての稼働差止等を求める第14次訴訟を佐賀地方裁判所に提起した。第1次から第14次原告と合わせて、9396名の原告を擁する歴史上最多数の原発訴訟である(国内47都道府県及び韓国・中国・フランス・イタリア・スイス在住)。
2011年3月11日の福島第一原発事故による被害は、将来の健康被害を含め、いまだその全容が明らかにならないほど甚大である。福島第一原発事故から4年が経過しても、事故はいまだ収束していないし、約12万人もの避難者がいまだ故郷に戻れない状況も変わりない。効果のうすい除染と帰還政策の矛盾、解決できない汚染水問題、子どもの甲状腺がん問題での因果関係の否定、賠償の打ち切りなど、被害の拡大と隠蔽が同時に進行している。
しかるに、安倍政権は原発再稼働政策を推進し、原子力規制委員会は新規制基準による適合性審査を進め、今年にも九州電力川内原発を再稼働させようとしている。政府の政策及び姿勢は、原発の本質的危険性に目をつぶり、福島第一原発事故の被害に正面から向き合おうとせず、かつ、責任の所在をあいまいにさせたまま、再稼働させようとするものである。
他方、官邸前の毎週の脱原発デモ、川内原発の再稼働反対の集会の様子を見ても、脱原発を願う国民の声はとどまることを知らない。本年6月7日に福岡市の舞鶴公園で開催された川内原発再稼働反対の集会には1万5000人、同日に愛媛の城山公園で開催された伊方原発再稼働反対の集会には2500人もの市民が参加した。各種世論調査でも、原発再稼働への反対意見が賛成意見を上回っており、国民の多数の意思が脱原発にあることが示されている。
司法の場においては、昨年5月、福井地裁は大飯原子力発電所3・4号機の運転差止めを命じる判決を下し、本年4月14日、高浜原発3・4号機の運転差止めを認める仮処分決定を出した。同判決等は、福島第一原発事故を踏まえ、原発事故が類例を見ない深刻な人権侵害であることを見据え、同判決等を言い渡したのであり、その意義は大きい。高浜原発仮処分決定への国民の支持は65%で不支持の3倍となっている。逆に、本年4月21日鹿児島地裁は九州電力川内原発の再稼働禁止仮処分申し立てを却下する決定を下したが、それはフクシマを真正面から見据えず、いわゆる専門家と行政の幅広い裁量を認めた3・11事故前と同様の判断であり、フクシマに学ばない決定である。私たちは川内弁護団・原告団とともに高裁で逆転させる決意である。
本玄海訴訟では、3・11事故から4年3か月経過したにもかかわらず、フクシマの被害を繰り返さないために、本日新たに270名の原告が加入した。九州電力を含めた電力会社、国は、原発が深刻な人権侵害を引き起こすことを認め、脱原発を願う国民の意思を実現すべきである。
私たちは、早期に「1万人原告」による裁判を実現し、被害を受ける可能性のある自治体を含む国民世論の圧倒的な支持と連帯のもと、原発の再稼働を許さず、国と九州電力に玄海原発全ての稼働差止、その先に廃炉を求め、全ての原発廃炉を実現させるものである。
上記のとおり声明する。
2015年6月11日
「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団・弁護団