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活動紹介過労死・過労自死:メンタルヘルス問題

2014年10月8日(水)

メンタルヘルス関連事案への取り組み状況

弁護士:梶原 恒夫

わが国における過労死問題の取り組みが始まってからおよそ25年を経ています。この間、福岡第一法律事務所は、福岡地域における取組の中心となって活動を続けてきました。日本社会において長時間・過重労働の実態がなかなか改善されていないことが反映して、未だに過労死・過労自殺事案が後を絶ちません。とりわけ最近では、職場におけるメンタルヘルスの不全が大きな問題となっており、日常の法律相談や事件活動でもメンタルヘルスに関連する事案が増えています。乗り越えていくべき問題は多く存しますが、福岡第一法律事務所では、今後もこの問題を重要な課題として位置づけて取組を継続していき問題の根本的な解決を追求します。
最近に限ってみても当事務所が取り扱った事件で以下のような労災認定などの一定の成果を上げることができました。

大手非鉄メーカー社員・過労自殺事件‐労災認定

研究職の男性社員の自殺事件(発病から3年たって自殺した事案)について、2011年11月に証拠保全を実施し、2012年8月に大牟田労基署に労災認定していましたが、昨年7月、業務上災害認定を得ることができました。現在、損害賠償請求訴訟の準備に入っているところです。証拠保全の成果として、相手方会社作成の関係者へのヒアリング記録でパワハラ的な叱咤が行われていたことや課題となる業績をあげないと失職に至る不安を抱えていたことの記載がある書類を入手できました。

地方自治体職員・過労自殺事件‐公務上災害認定 

福岡県内の地方自治体職員(男性・当時52歳)が過重業務により2010年6月に自殺した事案について、同年7月に証拠保全を実施し、その後2011年8月に公務災害申請をしていたましたが、昨年3月、地方公務員災害補償基金支部から公務上災害であるとの認定を得ることができました。この事件については、現在、当該自治体に対して国家賠償訴訟を提起し、裁判を進めているところです。

製氷工場職員・過労自殺事件労災‐労災認定

製氷工場に勤務していた当時27歳の男性が、過重労働の結果うつ病を発症し、工場内で自殺した事案において、2012年6月に労災申請をしていましたが、同年12月、業務上災害として認定を得ることができました。

化粧品販売会社販売員・過労自殺事件-労災認定
化粧品販売会社のセールス担当の社員(男性・40歳代)が長時間・過重なノルマにより精神疾患に罹患して自殺した事案について、2013年に福岡中央労基署に労災申請をしていたところ、同年10月に業務上災害の労災認定を受けました。
 

飲食店員・過労パワハラ自殺事件‐労災認定

和食料理店に勤務していた当時32歳の男性が過重労働及び上司(オーナー)のパワハラにより焼身自殺した事案について、2012年5月に証拠保全を実施し、2013年1月に福岡東労基署に労災申請をしていましたが、同年10月、業務上災害として労災認定を受けました。現在、損害賠償請求訴訟を準備中です。

物流サービス会社従業員・うつ病生存事件-労災認定

物流サービス関連の会社に契約社員として勤務していた男性(29歳)が、突然の異職種配点により現業から総務担当となり、人員不足で長時間労働も重なり、2011年1月頃にうつ病を発症して休業を余儀なくされ、雇止めとなった事案において、2013年.6月に福岡東労基署に労災認定申請をしていましたが、同年12月、業務上災害として認定されました。

以上の事案の他、福岡市職員の過労自殺事件について福岡市職労と協力して公務上災害認定のたたかいを進めている事案等、現在も事務所全体で多くの労災事件への取り組みが進行中です。 

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