青法協活動について
弁護士:中山 篤志
青法協創設の経緯
青年法律家協会(青法協)は、1954年4月24日、約100名の学者、弁護士らの参加によって誕生しました。
青法協は、自衛隊が創設され、日本国憲法の理念がないがしろにされていた時代において、「平和」と「民主主義」を守って行かねばならない責任と義務があると考えた法律家たちによって、平和と民主主義をまもる会として設立されたものです。
設立発起人には、憲法学者の芦部信喜、刑事法学者の平野竜一、民訴法学者の三ヶ月章をはじめ、加藤一郎、渡辺洋三、広中俊雄といった名だたる学者も参加しています。
福岡支部の活動~その1
福岡(1961年1月28日支部設立)は、全国の中でも青法協活動が活発な地域です。
主な活動は「例会」と言われるものです。これは、3か月に1度程、社会的に有意義な事件を担っている弁護士を講師として学習会をするというものです。取り上げる事件の種類は、世間の耳目を集める大規模な集団訴訟(薬害肝炎訴訟、有明訴訟、残留孤児訴訟)や再審えん罪事件(大崎事件)の他、消費者、労働者、生活保護受給者などの社会的弱者に関する事件など様々なものがあります。例会は、会員の研鑽の場であり、かつ、他の会員の活動から刺激を受けモチベーションを高める場でもあります。
その他に、修習生交流集会という企画も毎年行われています。これは、講演会や懇親会を通じて、全国から参加する修習生との交流を図るものです。
福岡支部の活動~その2
平成19年に国民投票法が成立し、改憲の動きが活発化する中で、憲法問題を中心に据えた活動をするべく、福岡県内の大学の先生方と協力して、FSL(Fukuoka Scholar&Lawyer)を立ち上げました。
これは、現在及び将来的に国民投票に参加する資格を持つ大学生に対し、憲法問題を学習する場を提供するための連絡会です。
平成19年、同20年の11月には、6大学の学生の参加を得て、1つのテーマについて議論するイベントを開催しました。平成20年のテーマは「ワーキングプアと格差社会」というものでした。憲法問題、政治問題について友人同士で議論することの少ないであろう昨今の学生事情はどこへやら、真剣な議論が行われました。学生からは、学生主体でのイベントをしたいという声も巻き起こるほどでした。
学者の先生方や学生との交流は、弁護士にとっても非常に楽しいものです。
この活動も、今や青法協福岡支部のかけがえのないものとなっています。