福岡第一法律事務所

生活保護問題ー大野城事件

深堀寿美・星野圭・國府朋江

生活保護を受けるにあたり、年金があることを伝えていたにも関わらず、福祉事務所が年金を見過ごし、保護費をひと月1万4千円多く払っていたとして、保護費を全て使っていた方に対し、過払い金の全額の返還を命じた事案です。高齢で障害のある当事者が、これまで生活してきた地域で自立していくための家賃設定の必要性や家賃の基準を少しでも上回ったら、一切敷金を支給しないというゼロか百かの生活保護運用の不当さを争い、生活保護法9条の必要即応の原則の正当な運用を求める裁判です。

2014年３月11日、福岡地方裁判所は、過払金の全額の返還を命じた処分については裁量権の逸脱濫用があるとして取消、敷金を一切支給しないという処分ついては、支給することの可否等について厚生労働省に情報提供するなどして検討すべきであったのに、形式的判断により敷金相当額を一切支給しなかったもので、裁量権の逸脱濫用があったとして処分の取消を命じました。

生活保護問題
事務所の複数の弁護士が生活保護問題を扱う弁護団に加入して、訴訟活動を行っています。