労働契約法の改正 ~ 雇止め法理の法定化
弁護士:八木 大和
当事務所では、全員の弁護士が労働者側の労働事件に、積極的に取り組んでいます。
事件の種類は、残業代請求、解雇・雇い止め問題、過労死・過労自死問題など、多岐に渡っています。
労働とは、労働者が生活の糧を得る為だけでなく、人と出会い、コミュニケーションを図り、自分の人格形成の場であったり、また、生きがいを見出す場であったりと、様々な役割・機能を有しています。
しかし、昨今、非正規雇用が労働者の約4割近くを占め、雇用期間も限定された「有期労働契約」が多くなり、雇用期間が満了すれば更新せずに、「雇止め」されるケースも増えてきているのが現状です。
しかし、この「雇止め」に歯止めをかけるべく、2013(平成25)年4月1日、労働契約法が改正され、新19条として「雇止め法理」が法定化されました。
これは、従来、最高裁判例によって確立していた、
「雇止め法理」(= 一定の場合には使用者による雇止めを認めない)
を条文化したものです。
とても長い条文なのですが、下記 ① ② に該当する「有期」労働契約が対象です。
- 過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
(最高裁第一小法廷昭和49年7月22日判決、東芝柳町工場事件) - 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新される者と期待することについて合理的な理由があると認められるもの
(最高裁第一小法廷昭和61年12月4日判決、日立メディコ事件)
さらに、上記 ① 又は ② に該当する「有期」労働契約で、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めは無効となります。
このようにかかれても、今一つピンとこないかもしれません。
しかし、その感覚はある意味妥当です。
なぜなら、① ② に該当するか、「社会通念上相当か」などの検討は、それぞれの労働者の働き方や職場環境などによって判断が変わってくるのです。
もし、雇止めされてしまった方は、ご自分で検討するだけでなく、ぜひ弁護士に相談して下さい。
当事務所では、雇止めだけでなく、労働事件に関するご相談は、初回無料です。
一人で悩まず、ぜひ、当事務所の弁護士にご相談下さい。
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